アメリカでのプライマリーケアとは?

アメリカで病院に行くとき、どこに相談すればよいか迷ったことはありませんか?
とくに日本の医療制度とはちがい、「専門医に行く前にまずプライマリーケア医(Primary Care Provider)にかかる」というアメリカ独自の仕組みに戸惑う方も多いです。

この記事では、プライマリーケアとは何か、どんなときに受診するべきか、そして日本人の私たちが安心して医療を受けるためのポイントを、わかりやすく解説します。


アメリカの医療システムでは、「Primary Care(プライマリーケア)」という考え方がとても重要です。これは、病気になったときに最初に相談する医師や医療チームのことを指します。

突然の発熱や体の不調だけでなく、持病の管理や健康診断、ワクチン接種、生活習慣の改善アドバイスなど、健康に関わること全般を幅広くサポートしてくれる存在です。

日本でいう「かかりつけ医」に近い役割ですが、アメリカではより制度的に重視されており、多くの保険プランでは専門医(スペシャリスト)にかかる前にプライマリーケア医の紹介が必要とされています。

そのため、信頼できるプライマリーケア医を見つけることは、安心してアメリカで生活するうえで非常に大切です。

日本では、たとえばおなかが痛ければ内科、肌のトラブルがあれば皮膚科といったように、自分の判断で専門の診療科を選んで直接受診することが一般的です。

地域のクリニックや病院に気軽にアクセスでき、診療科ごとの「かかりつけ医」がいる方も多いでしょう。

一方でアメリカでは、どのような症状であってもまずプライマリーケア医(Primary Care Provider)を受診するのが基本です。そこで診察を受け、必要に応じて専門医(スペシャリスト)への紹介状(Referral Form)を書いてもらうというステップを踏む仕組みになっています。

これは、保険会社のルールとして定められていることが多く、勝手に専門医を予約しても保険が適用されない場合があります。(専門医への紹介状の必要の有無は保険会社にお問い合わせください)

このように、プライマリーケアは単なる初期診療ではなく、アメリカ医療における「入口」としての役割を担っています。

症状の初期評価に加えて、今後の治療方針の案内役でもあり、長く付き合う医師として信頼関係を築くことが重要になります。


プライマリーケアは、「ちょっとした体調不良から日常的な健康管理まで」、本当にさまざまな場面で利用できる、身近で頼れる医療サービスです。

たとえば、風邪をひいたとき、熱が出たとき、咳やのどの痛みが続くときなど、いわゆる一般的な体調不良の際に最初に相談する場所です。

さらに、糖尿病高血圧コレステロール値の管理といった慢性疾患のフォローアップも重要な役割のひとつです。定期的な血液検査や、生活習慣の見直し指導などを通じて、病気の悪化を防ぎ、長期的な健康を支えてくれます。

また、予防接種(Vaccinations)や健康診断(Annual Checkups)もプライマリーケアの一部です。学校や仕事で必要になる各種証明書の発行にも対応してくれる場合が多く、家族全員の健康管理に役立ちます。

最近では、ストレスや不安、眠れないといったメンタルヘルスの初期相談にも対応しており、必要に応じて専門のカウンセラーや精神科医へつなぐ役割も担っています。このように、プライマリーケアは私たちの生活のさまざまな場面で頼りになる、「健康の窓口」なのです。


当院では、プライマリーケアを専門とする医療チームが皆さまをサポートしています。

  • 医師(MD)1名:幅広い内科診療を担当
  • 常勤ナースプラクティショナー(NP)1名:慢性疾患の管理や日常診療をサポート
  • 非常勤医師(MD)1名:内科診療を担当

さらに大きな特徴として、全員が日本語と英語の両方に対応可能です。

アメリカの医療は基本的に英語で進みますが、当院なら症状を日本語で詳しく説明できます。安心感があるだけでなく、誤解なく医療を受けられることは大きなメリットです。


プライマリーケアを持つことで、医療のハードルがぐっと下がります。
いざという時に相談できる「自分の医師」がいることは、海外生活の安心につながります。

また、定期的なチェックを通じて病気の早期発見・早期対応も可能になります。

  • 体調が悪いときに迷わず相談できる
  • 必要なときに専門医を紹介してもらえる
  • 医療システムに慣れていなくても安心して利用できる

さらに、当院では日本語対応が可能な専門医の情報も把握しており、必要に応じてそのような医師を紹介することができます。

アメリカでは専門医を受診する際に「紹介状(Referral Form)」が必要となる場合がありますが、プライマリーケアの担当医が責任を持ってこの手続きを行います。

そのため、患者さんご自身で複雑なやり取りをする必要はなく、安心して次のステップへ進むことができます。


プライマリーケアは、アメリカで医療を受ける上での第一歩です。

「どこに相談したらよいかわからない」と不安な時も、まずプライマリーケアが窓口となってくれます。

当院では、日本語・英語対応が可能なMDとNPが在籍し、チーム体制で皆さまの健康をサポートしています。アメリカでの生活をより安心して過ごしていただけるよう、身近な「かかりつけ」としてぜひご利用ください。

参考文献・リンク

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的とし、診断や治療を目的としたものではありません。医療に関するご相談は必ず医師にご確認ください。

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