日本への本帰国が近づいてくると、役所の手続きや引っ越し準備などで忙しくなる一方で、医療面の準備はつい後回しになりがちです。
「日本なら言語の壁がないし、なんとかなるだろう」と思っていたら、いざという時に必要な、健康診断の記録やワクチン証明が手元にない、というケースも実は少なくありません。
Jmedicalでは、健康診断やプライマリーケアを通して、本帰国される方々のスムーズな医療引継ぎをサポートしています。
この記事では、帰国準備に役立つ医療面のポイントをわかりやすくまとめました。
健康診断は1回で終わりではない
健康診断は「受けたら終わり」ではなく、毎年受けることで体の変化が見えてきます。
- コレステロールや血糖、肝機能などの変化を年単位で比較できる
- 生活習慣の見直しや、継続すべき習慣がわかる
当クリニックでは健康診断の結果をPDF形式でお渡ししています。ご希望の方には、PDFと郵送の両方で結果をお送りすることも可能です。
さらに、必要な場合は超音波(エコー)画像なども共有することができます。
検査画像の受け取りは要チェック
乳がん検診(マンモグラフィー)や乳房エコーなど、一部の検査は外部の医療機関で行われることがあります。
当クリニックだと、主にLenox Hill Radiologyで検査予約をすることが多いのですが、検査画像は検査を受けた施設に直接出向いて、CDなどの媒体で画像データを受け取る必要があります。
Jmedicalでは、遠方から来院される方も多いため、どなたでもCDを確実に受け取れるよう事前に手配をしています。
受け取ったCDは、帰国後に提出できるよう大切に保管しましょう。
日本での再検査や、継続診療が必要な際に役立ちます。
診療記録や紹介状の準備
持病や継続的なフォローが必要な病気がある方(高血圧、糖尿病、甲状腺疾患など)は、これまでの診療記録を日本の病院に提出できるようにしておくと安心です。
Jmedicalでは以下のような形で対応可能です。
- 診療記録のプリントアウト、もしくはPDF化
- 日本の医療機関あての紹介状作成
紹介状があれば、日本の病院でもスムーズに診療がスタートできます。
アメリカの医療施設によっては、「医療記録リリース(Release of Information)」を申請し、所定の用紙を提出することで、診療記録をCD、プリント、PDF形式などで受け取ります。
かかりつけ医療機関に、どのように診療記録を受け取れるか確認してみてください。
また、アメリカでは多くの病院で「My Chart(マイチャート)」などのオンラインポータルが使われており、検査結果や診療記録をご自身で閲覧・管理できます。
ただ、これらのツールはアメリカ国外からアクセス制限がかかる場合もあります。そのため、必要なデータは事前にPDFなどで保存しておくことを強くおすすめします。
お子様連れの方へ:ワクチン証明も忘れずに
お子様の予防接種も、本帰国後に継続して受けられるよう準備が必要です。
Jmedicalでは、ワクチン接種証明書や接種履歴の控えをお渡ししています。また、母子手帳へも必ず記載しています。
アメリカと日本とでは、定期接種スケジュールが異なるため、ワクチン接種回数が満たしていなかったり、接種の重複にならないためにも、接種記録は重要です。
保育園や学校によっては、ワクチン接種の証明が求められることもあるので、忘れずに準備しておきましょう。
準備には余裕をもって対応
早めに準備すれば、心にも時間にもゆとりが生まれます。
診療記録や紹介状、予防接種証明書の準備には数日〜1週間程度かかることがあります。特に、他施設での検査や記録リリースには時間を要するケースもあるので、できれば帰国の1〜2か月前にはご相談いただくのが理想です。
Jmedicalでも、これらを整えて差し上げるためには、事前連絡が必要となります。できれば帰国計画が固まり次第、早めにご相談ください。
※お電話でお気軽にお問い合わせください。
帰国前 医療チェックリスト
以下は、帰国前に準備しておくと安心な項目をまとめたチェックリストです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 健康診断の結果 | PDF形式で保管、必要時は印刷 |
| 超音波・マンモ画像 | データ・CDで受け取り大切に保管 |
| 診療記録 | 持病や慢性疾患がある方は記録一式を準備 |
| 紹介状 | 必要に応じて、日本の病院名などを事前に伝えて依頼 |
| ワクチン証明 | 証明書・控え・母子手帳記載の確認 |
| 常用薬の情報 | 処方薬の一覧 |
※このチェックリストは一例です。
まとめ
✔健康診断やワクチン記録は「日本で使える形」で準備しておくのが大切
✔検査画像や診療記録、紹介状など、用意に時間がかかるものはできるだけ早めに相談を
✔特にお子さま連れの方は、ワクチン記録の母子手帳記載もお忘れなく
✔医療ポータルのデータは国外からアクセスできなくなる可能性もあるため、帰国前にPDFなどで保存を!
本帰国は大きな節目ですが、医療の準備をしっかりしておくことで、日本でも安心して新しい生活がスタートできます。
※本記事では一般的な医療情報提供を目的としています。個別の医療相談については、必ず医師にご確認ください。